外側半月板損傷 -治療法-

外側半月板損傷の治療法には、大きく分けて以下の3つの方法があります。
1.保存療法
2.手術療法; 半月板縫合術
3.手術療法; 半月板切除術

それぞれについて簡単に説明します。

1.保存療法
半月板は可能な限り温存することが望ましいため、まずは保存療法が選択される。
Lockingがないもの、10mm以下の縦断裂、損傷範囲の狭い水平断裂や変性断裂では、保存療法の適応が多い。

具体的には、損傷した半月板への負荷量を軽減させるために下肢や体幹の筋力トレーニング、膝装具や足底板の導入、アイシングによる消炎鎮痛、関節可動域の改善、荷重時に負担のかかりにくいスクワット動作等の指導、などがあります。

2.手術療法; 半月板縫合術
近年では、出来る限り半月板を温存するため、縫合術が望ましいと考えられるようになってきました。
しかし、縫合術は技術的に難しく、再断裂の可能性がある上、術後のリハビリテーションに時間がかかるという欠点があります。

良い適応: 半月滑膜移行部から3mm以内の縦断裂。
半月体部の変性を伴わないもの。
相対的な適応: 半月滑膜移行部から3~5mmの縦断裂や前・後角での横断裂。

術後リハビリテーション:
術後数週間は、縫合部に負荷のかからないよう荷重が制限され、縫合部の治癒が起こるまで慎重に行います。
無理のない範囲での可動域訓練と等尺性収縮を中心とした筋力トレーニングによって、半月板に剪断力のかからない運動から開始していき、スポーツ復帰までには、半年から1年程度かかります。

3.手術療法; 半月板切除術
疼痛に加えて、catchingやlockingの症状がある場合、膝の伸展制限や関節水腫が著明な場合、保存療法によって症状の改善が認められない場合に適応となります。

術後リハビリテーション:
関節の腫脹と疼痛をみながら、術直後から積極的に行っていきます。
荷重は術直後から許可され、術後1週くらいから関節可動域訓練や筋力トレーニングも積極的に行い、等尺性の運動だけでなく自転車エルゴメーターや筋力マシンを用いた訓練も取り入れ、術後6週から2ヶ月程度でのスポーツ復帰を目指します。
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