なぜ成長期の子供が投球動作を繰り返し行うことによって、この障害が起こり易くなるのでしょうか。
原因は大きく2つに分けられます。
内的要因と外的要因です。
内的要因とは、年齢の影響も含めて身体構造自体の問題です。
成長期の骨は、関節に近い部分に骨端線と呼ばれるものがあり、骨が成長する為に柔らかい軟骨でできています。
その部分に繰り返しストレスがかかることにより、損傷しやすくなります。
また、肩関節の機能障害や前腕屈筋群の筋力低下が肘関節への外反ストレスを助長させるだけでなく、股関節の可動域や体幹の筋力も後で述べる投球動作に影響を与え、結果的に肘に外反ストレスを与えている可能性があります。
次に、外的要因とは、投球フォームや投球数に関与する問題です。
肘下がり、体の開きが早い、手投げ、などは、肘への外反ストレスを大きくする原因であると考えられています。
また、投球数の過多も大きな原因の一つです。
先に述べたように投球動作の不良には内的要因が関与しており、外的・内的要因が絡みあって離断性骨軟骨炎の発生機序となっていると考えられています。
それらを解決して合理的な投球動作を獲得していくことが、理学療法における一番の目的となります。
もちろん、症状が進行してしまっている場合には、まず安静が必要となります。
症状が出現する前に、原因となり得る要素を排除しておくことが大切ですね。
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