外来リハビリの必要性について

久しぶりに診せてもらう外来患者(担当制ではないので、毎週来院されていても私は時々しか診ない患者)に

「今、何が一番困っていますか?」

と主訴を尋ねたところ、

「家の借金があって・・・」とお金の話を始められました。

脳梗塞後遺症のため、週に1回、外来リハビリに通っている患者様です。
Brunstrom Stageは上下肢ともにⅣ~Ⅴレベルで軽度の麻痺は残存していますが、日常生活は独歩もしくは杖歩行にて自立されています。
知人に勧められて通院を続けているようですが、本人の問題意識は低く、リハビリに対するモチベーションも決して高いとは言えません。

今年4月に診療報酬が改定されます。

発症から長期間を要している患者のリハビリを制限する動きは以前からありました。
少しずつ制限が厳しくなり、今までは一定期間を経過した患者のリハビリに関して、“医師が認めた場合、月に13単位に限り”算定が可能でした。
4月以降、要介護被保険者に関して、“医師が認めた場合、月に13単位に限り10%減の点数”を算定するように変更となりました。

私が勤めている病院では、「リハビリを希望する患者を断るな!」というのが理事長の方針です。
維持を目的とした患者は増える一方で、理学療法士をいくら増やしてもキリがありません。
当然、治療を目的として来院されている患者様も多くおられます。
維持リハの患者が多すぎると治療を目的とした患者のリハビリが十分に行えなくなってしまいます。
中には、「調子が良くてリハビリを終了した途端、また調子が悪くなった」と言われる患者様もみえるので、維持リハの効果を否定できませんが、ある程度回数をコントロールして上手く行っていけたらいいかなと思います。

そして、毎回の医師の診察が必要なくなりました。
毎回の診察と言っても、ほぼカルテチェックしか行っていなかったにも関わらず、医師はこの改定を気に入らないようですが、理学療法士にとっては、医師の手を離れた効果が認められた訳なので、一歩前進と言えるのでしょうか?
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